yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

映画『THE FIRST SLAM DUNK』感想(ネタバレあり) 青春時代の叶わなかった忘れ物をプレゼントされたみたいで嬉しくなった

漫画『SLUM DANK』の山王戦が原作者の井上武彦先生監督で映像化されると聞いたら「見に行かなきゃいけねえ!」となったので鑑賞。夜の回で観客は70人ほど20代~30代くらいの人が多い印象でした。

 

公式サイト → 映画『THE FIRST SLAM DUNK』

 

 


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スラムダンク』は青春時代に大好きだったかけがえのない作品で、それがしっかりしたクオリティで映像化されたという事に関して、まず感動しました。

まるで青春時代に叶わなかった後悔、忘れ物の一つがふと目の前に返ってきた、サプライズプレゼントされたみたいで、おおいに嬉しかったです。

大人になってそれほど意識していなかったですが、自分の中でやはり一番原作で好きだった『山王戦』が映像化されていないことは心残りだったんだなと改めて思いましたし、その無意識の願いを叶えてくれたことには感謝感激の嵐でありました。

(それだけに全く情報を仕入れずに行って、冒頭で山王工業が出てきたところで思い切りビックリしたかったという思いもありました。やはり気になる映画はすぐに見に行くのが稀有な映画体験をするうえでも必須なのかもしれません)

 

今回の映画は『THE FIRST』と銘打たれていることにより1番PG(ポイントガード)の宮城リョータを中心に描かれていますが、これは試合映像がやはりPGが一番ボールを持つしボールが経由するので試合映像が映える効果もあるし、筋を全部知っている作品を改めて視聴するうえでの目新しさがあって良かったです。一方で、やはり山王戦は湘北高校バスケットボール部の集大成であると同時に「桜木と流川」の物語の完結でもある話だったと思うので、勝った後にもこの2人にスポットが当たらないのは多少盛り上がりきれない感じや、違和感がありました。

 

そして映像についてですが、リアルバスケットボールに近い雰囲気とスピード感に溢れていて素晴らしかったです。クオリティも高かったですし没入感もありました。ただ、ここまで突き詰めていくと井上先生が昔単行本で書いていた「実際の試合はもっとドラマチックなんだ、悔しいけれどそうなんだ」というコメントを思い出さずにはいられませんでした。実際のバスケットボールの迫力に近づいた映像は、実際の試合(今は中継も進化して選手の表情変化やスーパープレイのスローモーション、ベンチの動きなどもすぐに追えるし)には敵わないではないかという疑問も湧いてきました。とはいえ、そういった事を考えてしまうくらいのクオリティの高い映像でもあるということなので、一見の価値があったと思います。

 

このように思い入れがありすぎる原作だけに、カットされてしまった部分も含めて細かく言いたいことが沢山ある映画ですが、その部分も含めて誰かと語りたくなる(「カットされたけど魚住のシーン好きなんだよね大根かつらむきにして『泥にまみれよ』のところ」みたいな)作品で面白かったし、楽しかったです。

 

井上雄彦先生、ありがとう!!