6月の勝利の歌を忘れない。
ふと2002年のW杯からもう10年もたっているんだなーという感傷におそわれた。その頃のことを思い出したくて、何かいい本はないかなと調べいたら見つけたので読みました。
- 作者: 山本昌邦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/06
- メディア: 文庫
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いやはや、サッカーチーム特に代表チームともなれば色々と複雑な人間関係その他があることは分かってはいたけれど、想像以上にトルシエ監督が(良い意味でも悪い意味でも)とんでもない人で山本さん苦労していたんだなと思いました。
トルシエの勝負師として勘やマネジメントの上手さは認めつつも本書で「瞬間湯沸かし器」とか「トルシエの中の教則本は500ページではなく5ページ」とかぼろくそ悪口言っているのはちょっと笑った。嫌いだったんだなあ・・・(本文読む限り仕方のない部分もあるけれど)
ですが僕は多くの欠点はありつつもなんだかんだでトルシエは偉大だったと思います。世界と闘うことの厳しさや過酷さを選手に教え込んだのは彼の功績だからです(自分自身が選手の嫌われ役、壁になろうとしていた部分もあったと思う)。その後の山本さん自身が率いたアテネ五輪、ドイツW杯、北京五輪の惨敗を思い返すと余計にそう感じます。特にドイツは中田英寿ら黄金世代が全盛期の中、なんで本書で書かれている「最強の23人ではなく23人全体のチームバランスが一番大事なんだ」が継承されなかったんだと残念でなりません。
発売は2002年だけど、10年たつと当時とは色々と違った意味がでてきていて面白かったです。貴重な資料だし、色々考えさせてくれる本でした。