yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

映画『パラサイト 半地下の家族』感想  どんでん返しが言いしれない恐怖として忍び寄ってくるホラーエンタメ

春の三連休のお昼の回で鑑賞。観客はコロナウイルスの影響もありながら100人ほど。20代から60代くらいまで幅広い年齢層の人が来ていました。

 

公式サイト → http://www.parasite-mv.jp/


貧しい一家の“計画”とは…!?『パラサイト 半地下の家族』90秒予告

 

観た人のパーソナリティや視点によって様々な顔を見せてくれる非常に多重構造的な映画だとは思いますが、自分自身にとっては「恐怖」の感情がまず先に立つ作品でした。

むしろ最初は一つの家族の成り上がりコメディ的なものとして、けっこう明るく見れていたのですが、かつて金持ち一家に雇われてた家政婦が地下に忘れ物をした取りに来る場面から状況は一変、一気にホラー映画になったと感じました。

日常の薄壁一枚隔てたところに取り返しの付かない闇が潜んでいるのではないか、表面上は上手くやっているようでも人の気持ちの裏には利己的な打算や差別の感情がどす黒く渦巻いているのではないか、そんな自分自身が気をつけたくらいでは認識できない意識の外からくるものが、臭いや半地下というギミックを使ってとてもリアルな質感を持って思い起こさせてきて、とにかく恐ろしかったです。。

ラストの展開も衝撃で、「納得は出来るけど理解したくない」みたいな印象を強烈に突きつけてきて、この作品が一視点だけでは語れない重厚さと怖さを象徴する形となっていました。

ああ、人間、怖いよ~。

でも、これだけ怖くてトラウマになりそうな映画なのに、不思議にエンタメだったと感じるのがこの映画の面白いところだと思いました。アカデミー賞作品賞も納得の傑作です。