yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

初野晴『退出ゲーム』感想  “ミステリ”と“とんち”と“高校生”のとてもいい話

退出ゲーム (角川文庫)

退出ゲーム (角川文庫)

謎を解くというプロセスも面白いですが、それよりも問題を抱えている人物をいかに機転を利かせて救っていくかということに重点が置かれていて、その部分がとても良く練られていて、気持ちの良い青春ミステリ小説でした。

特に表題にもなっている吹奏楽部と演劇部の即興対決を舞台にした『退出ゲーム』、そして全面白色のルービックキューブの謎を追う『クロスキューブ』は読後感が素晴らしく、僕は大好きでした。

ただ登場人物(特に主人公の一人のハルくん)のインテリジェンスが高すぎて「こんな博識な奴等ばかりの高校があるか!」と何度もツッコみましたが、語り部にもなっているチカちゃんが元気で好感が持てるキャラクターだったので、全体的にはそんなに気にならずに読むことができました。