そして二人だけになった―Until Death Do Us Part (新潮文庫)
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2002/11/28
- メディア: 文庫
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巨大な橋の中に作られた居住空間、そこの集まる六人の男女、しかしその内の盲目の天才科学者は実は彼の弟が変装した偽物で、その秘書もまた本人の双子の妹という他人だった。
この二人の一人称視点を交互に描くことで紡がれる、外界から完全に拒絶された閉鎖空間で行われる殺人事件は、設定も面白いし、互いに正体がばれてはいけないという緊張感もあって面白かったです。
そして、終盤タイトル通り二人だけになった主人公が出した結論(殺人トリック)は「筋は通っているけど、正直ありえないなあ…」という感想で、このまま終わりかと思ったら、そこからさらにもう一つ怒濤の急展開。ちゃぶ台返しがあって驚きました。
このラストのどんでん返しは本当に意外だったけど見事なもので、確かに最初のトリック説明よりも色々筋が通っていて納得できるのものでしたが、僕個人としてはさすがにちょっとぶっ飛びすぎていて「これはミステリーじゃなくてSFのオチだろう!」と突っ込んでしまいました。ミステリーは確かにある意味でなんでもありなジャンルで、それが魅力だとも思いますが、本当に何でもありすぎるのは僕にはちょっとあわなかったです。
でも、キャラクターはすごいたっていたし、ミステリーとしてではなく人間ドラマとしてはかなり楽しめる作品でした。