yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

東村アキコ『かくかくしかじか』感想 気が遠くなるくらいたくさん描いた経験が大事なんですよ

東村さんで印象に残っているのは、西原理恵子さんとの画力対決で、素早い一発描きで(しかも凄く上手い)自分のキャラを描いていたことでした。

そんな天才、東村アキコのルーツが分かる、学生時代を描いたエッセイ(1巻は主に美大受験)漫画と聞いて読みました。

かくかくしかじか 1

かくかくしかじか 1

東村さんといえば、自分の父親ネタを満載した『ひまわりっ健一レジェンド〜』や子育て漫画『ママはテンパリスト』など、自分の身内をネタにした漫画がすごく面白い作家ですが、この漫画も同様にとても面白かったです。

特に話の核として出てくる恩師、日高健三さんがすごい濃いキャラでやばいです(笑

初登場時の強面顔で「ついてきてっ」と言ってスクーターで行ってしまう(アキコはダッシュで追う)シーンはインパクト絶大でした。

その後も竹刀を振り回して指導する厳しさを持ちながらも、所々でとっても優しくて面白い日高先生は彼女の漫画のキャラクターの中でも僕はトップクラスで好きですね。

そして東村さんがあれだけ絵を描くスピードが速いのは、こういう厳しい先生にしっかり基礎を叩き込まれたからなのだなと思いました。

一つの目的のために気の遠くなるなるくらい何かに打ち込んだ期間、それって周りから見れば(部外者には)一種異様な光景でも、その人にとって宝物だということを感じました。