- 作者: 朝井リョウ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: 文庫
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映画が面白かったので、桐島くんは原作ではどうなっているんだろうと思い読んでみました。
そしたらかなり映画と違うのでびっくりしました。映画が”群像劇”なら小説は”個人のエピソード”という感じでした。
映画のようなエンターテインメント性はなかったですが、同じ教室に生きる生徒個人の現在の切り抜きとしては丁寧で興味深かったです。
そんな中「あれ?」って思ったのが、どの立場の生徒もみんなスクールカーストというか、現在の自分の立場が「上」か「下」かを非常に気にしているという点でした。
「察しなければならない!」という脅迫観念みたいなものを登場人物みんなが共通認識として持っています。
僕はこれが非常に疑問でした。確かにスクールカーストって存在するけれど、学生時代ここまで「上」か「下」かが重要だなんて意識したことはなかったので、後半登場人物が入れ替わるたび「おいおい、お前もか」とツッコんでいました。もっといろいろな考え方の人間がいると思うんだけどなあ。でも「勝ち組」「負け組」なんて言葉ができた、今の学生さんはそうなのかもしれません。
そしてもしかしてそれを意識しない性格だったから、学生時代はちょっと浮いていたとも思ってみたり(汗)・・・
面白かったですが、桐島くんは小説はただいるだけって感じでした。そこは少し残念。