「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」が面白かったので購入。期待通りの面白さで大満足の一冊でした。
- 作者: 万城目学
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2011/04/08
- メディア: 文庫
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表には出てこない封せられた人々の伝統を明るい調子で書くことを得意とする万城目さんの作品の中でも、最も突飛で、スケールがでかく、そして力強い作品でした。
僕が特に引かれたのは作品内の綿密さでした。「大坂国」「豊臣家の末裔の王女」といった奇抜なアイデアの上に、ベタな「父と子」というテーマを展開させ、どちらもしっかりとたてたうえで、エンターテインメントとして昇華させる。なんというバランス感覚。正直、称賛せずにはいられません。
例えるならピラミッドのようでした。あまりにもその存在理由や構造が複雑かつ綿密すぎて、組み上げていった過程がまったく想像できないけれども、その雄大な姿で人々の心を打つ建築物。とても魅力的でした。
ブラボーでした!