「まなめはうす」さんで絶対読んだ方がいいと紹介された本。やっと図書館で順番まわってきました。
- 作者: 森博嗣
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2009/11/17
- メディア: 新書
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僕は自由という言葉がとても好きです。
それはもともと物語を好きだった僕が、その範囲を少し広げて本や活字そのものを興味を持った、好きになったきっかけが寺山修司さんが自由について言及したエッセイだったからです。
「自由というは、もはや不自由の反対語ではない」
「自由という言葉と明日という言葉は似ているのであって、それが現在形で手に入ったと思われるのは錯覚か死を意味している」
これらの言葉は僕の人格形成に大きな影響を与えたと思っています。
だからこそ、本書の最初で森博嗣さんが「自由とは自分の思ったとおりにできること」という定義を出したのはけっこう衝撃的だった。自由という概念は不自由さが全て解放された状態からもう一歩か二歩高い次元ある状態であるということは理解していたつもりだったが、それをうまく現実的に使える言葉に出来ていなかった僕は、このシンプルで分かり易い定義には思わず「うまいなあ」と感心してしまった。正直この定義を見ただけで本書を読んだ価値があると思ってしまったくらいです
そこから先は「どうして自由を獲得すべきか」「支配にはどういうものがあるか」「支配に対抗する手段」などの項目が森博嗣さんの経験などを元に丁寧に書かれていました。
「自由を獲得する」ことを大仰に捉えたりせずに、「そうした方が楽しいよ」と訴えかける感じの文章は読んでいてとても気持ちが良かったです。
「よっしゃ、俺ももっと自由になってもっと幸せになるか!」という思いにさせてくれる、いい本だったと思います。
余談ですが、僕がこの本を読んで最初にイメージしたのはアニメ『キン肉マン』のOPテーマでした。
「心に愛がなければスーパーヒーローじゃない」「嗚呼、はてない夢を追いかけスーパーヒーローになるのさ」の「スーパーヒーロー」の部分を「自由」に置き換えるとなんかすっきりするなと思いました。たぶん僕だけでしょうけれども。