- 作者: いけだたかし
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2012/02/23
- メディア: コミック
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勤めていた会社がなくなり、色々と思う所があって「一年間何もせずにいよう」と決めた、34歳無職さんのダラダラライフを描いた作品。
読んでいて、とても懐かしい気持ちになりました。
というのも、僕は20代後半に体を壊してそれまで勤めていた会社を辞め、次に就職するまでのおよそ10ヶ月くらい無職期間があるのです。
その療養期間と心機一転就職活動をしていた期間の間、だいたい半年くらいは、この漫画にあるような、ダラダラした一人暮らし無職ライフを堪能していました。
なのでこの漫画に出てくる「ゴミのない日はつい寝過ぎてしまう」や「本屋さんに行って社会参加している気になる」は、まさに「無職あるある」で、うんうんと頷きながら見ていました。
貯金が減っていくという焦燥感や家族や周りの視線、胸をつく様々な問題はありましたが、一度「何もしないぞ!」と決めてダラダラと過ごした期間は、僕にとって次のステップに行くために必要な期間でした。
コンビニ弁当や外食ばかりだった生活が完全自炊生活になり、今日の献立を考えることが一番のビッグイベントになるような、変化のない穏やかな生活は、それまでとはまた違った意味で楽しかったです。
自転車を漕いで周りの季節の移ろいを一日単位で感じたり、図書館で本を読みながら余計な妄想を一杯考えてみたり、それは何でもない時間でしたが、確かに僕の中の大事な部分を作ったのではないかなと思っています。
無職って意外と楽しいものですよ。
(ただしある程度貯金があるに限る、僕は忙しくて金を全く使わなかったので一年くらいは無職できる蓄えがあった)
「無職になった(なりそう)だけどどうしよう……」と考えている人には、ある種のお手本、「無職ライフ教則本」として読んでほしいかなと思いました。