「まなめはうす」さんでお薦めしていたので読んでみました。
- 作者: 仲谷明香(AKB48)
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/04/02
- メディア: 新書
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予想よりもずっと読みやすく、面白かったです。
この中でもっともびっくりしたのが、「AKB総選挙」というアイドルの人気を視覚化、明確化する前代未聞の企画の中で、選抜メンバーに選ばれなかったこと、「非選抜メンバー」認知されたことをポジティブに捉えていることでした。
元々アイドルになりたいわけではなくたAKBに入ったという特殊な初期動機も関係しているのでしょうが、アイドルという人気を競う商売で、それは大きな挫折であったはずです。
しかしそこから発想を転換させて、「勝者を輝かせることができる、責任のある敗者になろう」という考えに至るのは、とても非凡だと思いました。「次は勝つ」とか「必ず選抜になる」ではなく、非選抜メンバーとして自分ができることに精一杯尽力する。これはなかなかできる発想ではありません。
そして彼女のような存在を許容してみせたのがAKBがここまで社会に認知された要因なのかなとも思いました。
世の中って思ったよりも「負けたら終わり」ではない。
プロや日本代表になれなくたって僕はサッカーをやっているし、同人誌が10部も売れなくても僕はイベントに出続けている、それはその「場」がとても好きだから。彼女もまた青春も捧げたAKBという組織が好きだったのかなと感じました。
「敗者という存在にも居場所は与えられる」 とてもいい言葉だと思いました。