yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

映画『桐島、部活やめるってよ』感想 これはリア充氏ね映画なの・・・か?

平日レイトショーを観賞。観る映画を決めずに飛び入りで映画館に入っての観賞。なので原作は未読。お客は10人未満。若い人が多かったです。

公式サイト→ http://kirishima-movie.com/index.html

「えっ、ここで終わりなの!?」

映画が終わりスタッフロールが流れたきた瞬間びっくりして固まってしまった。だって桐島出てこないから。てっきり最後に出てくると思ったのに…

物語は成績優秀スポーツ万能でクラスの中心人物だった桐島が突如として所属しているバレー部を辞めることに端を発して始まる。そしてそのことにより、桐島の彼女と仲良し4人組、元野球部の親友や帰宅部チャラ男達、吹奏楽部部長やバレー部の仲間、そして映画部といった彼のクラスの面々に色々と不協和音や変化が生じる。この映画は彼が部活を辞めた金曜日から翌週火曜日までのその模様を複数視点で追った青春群像劇だ。

この映画の面白は発端である桐島がまったく登場せずに物語が進行していくことだ。一つ歯車が狂うことで全体がそれまでの関係が変化していってしまう様はかなり面白い。

だが、ラストのあまりの唐突さはちょっとびっくりしてしまった。桐島が辞めた理由も話さず連絡もとれないことにより色々な問題が各所で起こっているのだから、てっきり桐島が最後に何か締めるか、オチをつけるかするのが筋だろうし、そうでなくともそれぞれの人物の5日間の物語になんらかの決着がつくものだと思っていたのだが、投げっぱなし、宙ぶらりんで何も解決せず、登場人物はイライラを募らせのまま物語は終わってしまった。

そんな中でもある種決着がついた、ボコボコになったけど精神的には物語の勝利者と言えたのは、直接桐島に関わることなく自分達を貫いていた映画部(あと吹奏楽部部長かな)だけだった。

関係者が揃うラスト前のシーン、全員入り乱れての乱闘、それを撮影する映画部部長を見ながら僕はなぜか「映画「ジェイソン」はスクールカーストの下だった監督が上のリア充共をぶっ殺したくて作った」という本当だか嘘だか分からないエピソードを思い出していた。

羨ましがられたり、気楽を装っていた面々が軒並みその象徴であった(であろう)桐島が崩れたことでアイデンティティが崩れていくのに対し、見下されてても自分の好きなものや役割を貫いた映画部や吹奏楽部が傷つきながらも根性を見せたというのは、つまりそういうことなのかもしれない。

すなわちこの映画は「リア充氏ね!」って言いたかった・・・のか?