なにか映画を見ようと思って、ちょうどやっていたので鑑賞。まったく前知識なしで見ました。
観客は50人ほどでした。
公式サイト → http://www.foxmovies-jp.com/birdman/
なんだか感動系かなと思って観たんですが、全然違った(笑)
一言で言えば「よく分からない」映画でした。
かつて「バードマン」というヒーローで一世を風靡したものの最近は忘れられているハリウッド役者が舞台を自分で主演演出して再起を図るという内容なのですが、驚いたことに登場人物に誰も共感できる奴がいない。
自分のことを棚にあげて他人をとやかく批判したり、自分自身がまったく見えていないで感情的に振る舞いをするやつらばかりですし、最後まで「こいつはこういう奴だったのか」と納得できるキャラクターはありませんでした。
だからこそ、分かり易い物語が好きな自分は面白くなかったのですが、それはそれとして、不思議なことに最後まで飽きずに観ることができました。
それはほぼワンショットのようにして撮られる撮影技法の目新しさに加え、虚実を織り交ぜり演出の妙、最後まで登場人物の誰もが理解しきれない存在として描かれていたのが、興味を引いたのだと思いました。
そういった意味では、僕が物語的に面白くないと判断した部分が、そのまんま最後まで映画に興味を引く結果となるなど、ある意味では不思議な体験ができて面白かったです(笑)
また、登場人物が(たとえ共感できない内容で間違っていたとしても)とにかく言いたいことを言いまくって主張して喧嘩しているのはなんだか、見ていてとてもすっきりしました。
僕たちもまた自分の気持ちが嘘か本当か分からない、だからこそ口を噤んでしまうことが多いなかで、アメリカ人はとにかく言葉にして、相手とぶつかりあって、それで自分の形を確かめていくんだなあというのは羨ましささえ感じました。
「面白かった?」と聞かれればうまくは答えられませんが、とても印象深い映画でした。