小説家の三田誠先生が「ここまで実践的な本は初めて見た……凄まじすぎるぞ……」とTwitterで絶賛しているのを見て購入しました。
とても刺激的な本でした!
『小説という方法で儲けて富を得る実践的方法』という本の紹介があったので、「小説家になってからの戦略」がメインコンテンツだと思っていたのですが、それ以前の小説の作り方、「松岡先生流の小説の書き方」のノウハウがこれでもかと詰まっていることに驚きました。
僕自身は5、6年前まではオリジナル、もしくは東方projectというジャンルで同人小説を執筆したりしていたのですが、本業の忙しさにともなって最近はほとんど「小説を書く」という創作活動をしていませんでした。しかし、最近改めて小説を書いてみようと思いたったところだったので、本書で松岡先生の提示した小説原稿の調達の仕方、本書の言葉で表せば「想造」は、自分の創作方法とはやり方も、根本的な考え方すら全然違っていて、とても新鮮に映りました。
「想造」は自分自身の妄想力を信じて疑わないストロングな執筆スタイルであると感じましたが、それ故にとても楽しそうなやり方で、自分自身の創作スタイルではある種の行き詰まりを感じていた身としては、「いっちょこの方法で書いてみるか!」と思える魅力がありました。本書はこの「想造」が知れただけで、十分元がとれる内容だったと思います。
もちろん、原稿執筆のやり方だけでなく、小説家になって以降の効果的な立ち振る舞いから心の持ち方まで本書は完璧に書いてあり、とても興味深かったです。ですがその具体性故に、自分をベストセラー作家に置き換えて妄想趣味レーションをしてしまいそうになるので、たぶんそのあたりの内容は本当にそうなった時にだけ読み返そうとと思います。・・読み返すことなさそうですけどね(笑)。知識として、とても楽しかったです。