yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

有吉弘行著『お前なんかもう死んでいる』感想 有吉が絶好調の今見ると非常に趣深い本だった

ハードカバーの本が棚に陳列されているお洒落なカフェに置いてあり(何故このチョイスなのか)、今ちょうど夏目アナとの結婚報道があった時期だったので興味を持って読んでみました。

 

これは2010年当時、猿岩石時代の一発屋芸人からのし上がってきた脅威の二発屋芸人として注目を浴び始めた頃に出した本ですが内容的には人は貧乏になると「金がない俺が悪いんじゃない、金をくれないあいつ等が悪いんだ」と人を憎むようになるという反面教師的な思考回路の話から、「100万という桁が大事。貯金がそれをきると一気に不安になるから意地でもその桁は阻止しろ」というかなり納得できる話まで、もし自分がどん底に陥ったらどうすればいいのかという解決策のヒントがかなり実用に耐える形で紹介されているので、面白かったです。

しかしながらそれ以上に、有吉弘行さんといえば今やゴールデンをはじめとして民放で最も多くの冠番組を持つ、天下をとったと言っても過言ではない超売れっ子芸人であり、そんな彼の現在との境遇の違いが非常に趣深かったです。

「戦場には出ない、矢面にはたたない、それが基本」「ゴールデンの司会なんて(どうせオファーこないけど)嫌だ」みたいな事が書いてあり、おそらくそれが本心でありながら、彼は多くの人に必要とされ、冠番組という最も矢面に立つ仕事を多く引き受ける、日本で最も忙しい男の一人になっている。この事が不思議で仕方がありませんでした。

「風俗嬢と無料でやりたいから店の前で出待ちしてきるぜ」みたいな事をしてきた男が、運が良いのか悪いのか、自身が望んだ先を遥かに超えた役割を担っている。実に人生というのは数奇だなと思わせてくれる本でした。

猿岩石時代から20年有吉さんを見ていますが、これからももっともっと楽しませてくることを期待しております。