図書館で「装丁で本を選ぼう」という特集のなかにあったので読んでみました。
- 作者: 平山夢明
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2009/10/23
- メディア: 単行本
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読んでみたらあらびっくり、吐き気がするほどの血と狂気と暴力がぎっちりつまった、とてつもなくでたらめなエンターテインメント小説でした。
正直最初はその描写の痛さやグロさに顔をしかめながら読んでいたのですが(公共機関が勧めていいのだるか?)、だんだんとその「でたらめ」っぷりが楽しくなってきました。
その一番の理由は登場人物の二人がとても魅力的だったからだと思いました。
殺し屋専門の定食屋のコックであるボンベロ、奈落に落ちてしまったウエイトレスのオオバカナコ。
一人は気難しさはあるけれどこの世界を熟知して情も持った天才シェフ、もう一人は一般人ながらこの絶望の淵でそれでも生き残ろうと成長するとても「大馬鹿な子」。この二人の絡みがとても良く、そして互いがしっかりと信念を持っていたので、その関係性の変化、成長はとても面白かったです。
それにしても個々のエピソードでカナコは何度も命の危険にさらされるのですが、その緊張感はハンパなかったです。描写が本当に痛々しいので、ブルブル震えながら読んでいました。
こんなにも本の中に入り込んだのは久しぶりかもしれません。荒唐無稽すぎる話なのに不思議な読書体験でした。
衝撃のまま一気に読み終わって、一気に疲れた、しかしとても満足感のある読後感が味わえました。
まるでラーメン二郎を食べ終わった後のような感覚です(笑)
とても満腹です。ごちそうさまでした!