yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

映画『ジョーカー』感想 みんなを笑わせるという夢が叶って良かったな、アーサー! 叶え方は最低だけど。

平日昼間の回を鑑賞。観客は150人ほど。男女を半々くらいで年齢層は30~50代くらいと幅広かったです。

公式サイト → http://wwws.warnerbros.co.jp/jokermovie/


映画『ジョーカー』特報【HD】2019年10月4日(金)公開

勧悪懲善!

バットマンシリーズの中でも屈指のヴィラン「ジョーカー」の誕生の物語ということで、自分の中でも若干ハードル上がっていましたが、とても素晴らしい出来で楽しかったです。

「みんなを笑わせることが僕の夢だ」と語っていた精神疾患持ちの男アーサー、気味悪いと虐げられ、行政や街の住人誰からも無視されて、家族には裏切られ、妄想の中に逃げ込むことしか救いがない。そんな男が拳銃を持った事と偶然の人殺しをきっかけに、悪の華を咲かし、人々を魅了する様は、ある種の背徳的なエンターテインメントとして、とてもよく出来ていました。

ジョーカーとして覚醒したアーサーは、なんというかとても救われたように見えました。時折挿入される緩やかなダンスは、まるでゴッサムの濁った憎悪の空気に身を任せる巫女や神主のようで、幻想的ですらありましたし、生きずらさの極みの最低の人生を、人間を辞める事によって脱出した様は、本当に喜びに満ちあふれていてカタルシスがありました。

そして、最終的に多くの賛同者によって祭り上げられるシーン、みんなピエロの仮面ではありますが確かに笑っているように見えて、「ああ、みんなを笑顔にするという夢が叶ったんだなアーサー・・・、まあ、最低の叶え方だけどな!」と思いました。

憎悪を煽り憎悪に満ちた人々を見て笑う、そんな自分の中のジョーカー像と比べると、今作のジョーカーはゴッサムの悪意の申し子ではあってもあんまり人の心の弱さや憎悪を自分から煽ったり焚きつけたりしないので多少の物足りなさはありましたが、まあそれは誕生譚ということで、解釈違いとまではいきませんでした。

たまにはこういう勧善懲悪とは真逆の、悪役が大活躍する映画もいいですね!