変な題名に釣られて購入。中身は想像通りバカだけど、ひとえにバカに出来ないだかえの内容のある本でした。
この本はまあギャグである。エンタメ娯楽本だ。
それは「5年3組に覇をとなえる」という中身から一目瞭然なのだが、だけどけっこう真面目に君主論の概要については学べるという、とても変な本であした。
個人的には目標を持ったキャラクター達が興ったり没落していったりする様を眺める群像劇として非常に面白かったですし、相手の勢力を取り込む手段が小学生らしく運動会というイベントであったり給食のプリンだったりするギャップが、かなりツボでした。
そしてこれは一応は「君主論」の解説本としての面として、物語内の仲良しグループ達の繁栄にも衰退にもちゃんと理由が付け加えられて説明されるので、物語として見ればそこに説得力が生まれ、解説本としては具体例に楽しく触れられるという、一挙両得の読み応えがありました。
個人的にはこれにより「楽しく」君主論の触りを理解できるというのはいい体験でした。難しい本を読むのは(よほどそれに興味がない限り)苦痛が伴いますが、これはその障害が全然ないのが驚きでした。
そして読み終わった際には「君主って大変だなあ」としみじみ思いました。
配下の者に裏切られないために、他勢力に滅ぼされないようにするために色々と考えを巡らせ、常に周りに気を使うのはもちろんのこと、それが君臨し続けるかぎり終わりがないというのは、たとえ一時の優越感や万能感が得られるとはいえ、自分にはめんどくさい事だなあと。
なので個人的には自分は一武将でいいので、よりよい君主を見極めるための知識として役立てるかなといった印象でした。