yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

映画『シン・ゴジラ』感想 賛否ありそうな内容ではあるが、間違いなくの傑作! 庵野秀明という個性が爆発したゴジラだった

東京へ行ったついでにゴジラの聖地新宿のTOHOシネマで観賞。観客はほぼ満席でした。若い人達が多かったです。

公式サイト → http://shin-godzilla.jp/

す…凄い映画だった……。

けっこう映画というのは僕はリラックスして観るようにしているのですが、これは久しぶりに一切の情報も漏らさないようにと、全神経を集中させて観なければならないと、数分で確信し、実際そのとおりに見続け、最後は上記のように「凄かった……」という感想しか出てきませんでした。

エンターテイントと言われると全然違う、CGが凄いかと言われるとどことなく安っぽさもある、配役や演技が絶妙かと言われると石原さとみなど明らかな浮いてしまっている役(頑張ってはいたが)もある。

だがしかし、今現実の日本にゴジラというアンタッチャブルな存在が表れた時、初期対応は遅くとも、日本という存在、群衆はここまで粘り強いのかと感動させられる内容であり、矢口という一人の主人公はいますが、ゴジラに対抗していたのは間違いなく「日本」という国であり、俺たちなのだと感じさせてくれる点はとても素晴らしかったです。

そしてそれは同時にゴジラに傷つけられる東京という街も間違いなく僕等のことであり、だからこそ理不尽なまでのパワーで東京を焼き払ったゴジラには絶望を感じました。

思わずそれを見て「庵野はそこまで俺たち恨みがあるのか〜〜〜〜〜〜!!!」と叫びたくなりました。

そして、それはこの映画が演出面も含めて庵野秀明という個性が溢れていた作品だったからに他ありません。明朝体のテロップをふんだんに私用した短いカットの繋ぎ、エヴァでも使われた音楽の流用、特撮へのリスペクトに溢れたカメラワークに、自衛隊の戦車やヘリを写す際のこだわり、ナウシカ巨神兵を思わせる圧倒的破壊、あらゆる場面に彼の個性が溢れていて、むしろゴジラ映画よりも庵野秀明映画という感じすらしてしまいました。

そしてそ奇妙な融合は、激しい内面を持った庵野とあらゆる激しさの象徴であるゴジラの掛け合わせは、妙な親和性と時代性を兼ね備え、この作品を唯一無二の傑作に押し上げていたと感じました。

分かり易くもなく、独特のテンポの速さも相まって面白くない人、合わない人は続出しそうな作品ではありますが、間違いなく人の心に訴えかける傑作だと僕は思いました。

追記:個人的に一番面白かったのは「在来線爆弾」です。あそこは唯一没頭を忘れて心の底から笑い、テンションが上がりました。