バス事故の影響で公開が延期されていましたが、無事に上映されるということで観賞。
日曜日の昼間で、観客は100人ほどでした。若い人が多かったです。
公式サイト → http://tooyoungtodie.jp/
地獄にはロックンロールが似合うぜぇいっ!!
全編を通して強調されている、ロック音楽(洋風)と地獄(和風)のマッチングが妙に小気味良く、アンバランスなんだけど不思議に調和が取れているという、独特な雰囲気を持った映画でした。
「死ぬ」というのは誰しもが怖れるものですが、「地獄もそんなに悪いものじゃないぜ」というポジティブな熱量が作品全体に溢れていて、とても楽しかったです。所々に挿入される下ネタ混じりのくだらないギャグも、その方向性に一役買っていました。
ストーリーも最初はいけ好かない感じだった高校生が、だんだんと魅力的に変身していく変化の物語なのが良かったですし、地獄を制するギターコード“H”のくだりは「工藤官九郎はやはり天才だ!」と感心させらて、素晴らしかったです。
ただ一方で、17才で死んじゃう高校生(神木隆之介)と実は生前その高校生と接点があった地獄の鬼(長瀬智也)がダブル主役を張っている映画である故に、物語がごちゃごちゃしすぎていて分かりにくくなることも多く、地獄も実に安っぽい舞台のセットみたいな感じ(狙っていた部分もあるでしょうが)なのは残念でした。
それでもラストには「トゥー、ヤング、トゥー、ダイ♪」と観ていたこっちまで口ずさみたくなる勢いがある映画で、「地獄なんて怖くないぜ!」なんて調子づいて言えちゃう感じになれたのが、面白かったです。いい体験でした。
追記:雑誌『プレイボーイ』の記事で、みうらじゅんさん(亡者役で出てくる)が自分のシーンが大幅にカットされたことを嘆いていましたが、あれは切って正解だなと確信しました。あそこまで映画の雰囲気を壊せる人間がいるのかと、逆に感心して、大笑いしました。個人的にすごくツボでした。