yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

映画『アイアムアヒーロー』感想  泥臭く最後まで抗った者が本物のヒーローなんだ!

原作未読。グロいグロいと噂されていて、実際自分はグロ苦手なんだけれど、大泉洋のイメージに合わなさそうなのが逆に新鮮な感じがしたので観賞。観客は150人ほど。若い人(20代)くらいが多かったです。

公式サイト → http://www.iamahero-movie.com/


サウナに入って限界まで汗を掻いた後に、キンキンに冷えたコーラを一気飲みするような感覚だ!

現実で血を見ると軽く貧血を起こしそうになり、映画の血が出たり痛かったりするシーンを「絵空事」と完璧に分離して考えれない僕が、ゾンビ映画を見ることが出来るのは、たまに上記のような気持になるからです(故に前日から体調が良く、精神が健康な時にしか無理なのですが)。

理不尽な死が蔓延する世界の中に放り込まれた主人公、自分も周りも極限状態、いつ死ぬかもしれないデンジャラス空間をとことんまで主人公に感情移入して緊張しながら見て、最後に解放される。

その感覚に浸りたくて観に行きましたが、ちゃんとその通りになれて満足できました。

基本的にはテンプレ的なゾンビ映画ですが、個々の場面のクオリティは非常に高かったです。怖いし気持ち悪いし、痛いしとことんまでに非日常的です。

特にゾンビ映画は日常が崩壊していくシーンが肝ですが、これはそれがとても丁寧に、そしてある種の壮快さを持ったダイナミックさで描かれていて普通に感心してしまいました。「これが映画だ」という迫力がありました。

あとは主人公がカッコ良かったです。絶望の状況の中において、奇跡的なパワーや天運に助けれるのではなく(途中それが示唆されるが最後までそれは使われない)、必死に必死に泥臭くもがいて足掻いてなんとか生き延びていくんですね。その様が実に「アイアムアヒーロー」でした。

それを端的に、表しているのが名前を名乗るシーンで、最初は本当に情けない中年なんですが、だからこそ自分を紹介する際「英雄(えいゆう)と書いてヒデオ」と少し自分を大きく見せようとするのですが、数々の危険を乗り越えて本物のヒーロー的存在になった後には自分を「ただのヒデオだ」と表現するんですよね。ここはめちゃくちゃ痺れました。

大泉洋さんをはじめ、役者達の演技も素晴らしく、面白気持ちいい映画で良かったです。

(ただ、本当にグロいので少しでも苦手な人はやめた方がいいと思います。僕も上映中女の子が2人くらい席を離れて外に出て行って戻ってきませんでした。自己責任で見る映画です)