yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

映画『バクマン。』感想  漫画を描くのはカッコいい事なんだという気概に溢れた演出は好きだが、後半はリアリティを欠いていて乗り切れなかった。

原作漫画が好きだったので公開日の昼の回を鑑賞。観客は150人ほど。若い(20代くらい)が多い印象でした。

公式サイト → http://bakuman-movie.com/

物語内で漫画しか描いてないけれどこれ映像的に盛り上がるのかなあという若干の不安を抱えつつ見に行きましたが、それに関しては完全に杞憂でした。

漫画にかけた真剣な表情、紙の上を走る線のシャッ、シャッという音、そして少しづつだがしっかりと形になっていく原稿という名の努力の結晶(しかもドンドン良くなっていくのは見ている方にもしっかり分かる)、それらをしっかりと見せるだけで十分に魅力的なんだ、「漫画を描くという行為はカッコいい事なんだ!」という信念が見てとれる映像演出は潔くかつ大胆で、素晴らしかったです。週間少年ジャンプに賭けた青春、それは血反吐を吐くほど大変なんだけれどそれだけ価値のあることなんだとしっかりと伝わってきました。

ただしかし、漫画制作や持ち込み、漫画賞受賞から連載までの流れがある程度リアリティを積み重ねたうえで物語が進行していくのに対し、連載が始まってからは高校生二人だけでアシスタントも付けずに学校行きながら連載しているなど(編集部もそこはフォローしろよ)、リアリティの全くない描写に驚きを隠せませんでした。そのおかげで物語に集中できず、終盤の友情努力勝利展開も自分には伝わってきませんでした。

原作の魅力はリアルとファンタジーの境界線の妙にあったと思うので、そこはとても残念でした。

あとは原作の方の個人的ヒロイン加耶ちゃん(高木の妻になる女性)が出てこなかったのは非常に落胆しました。物語的にも彼女がいないから亜豆のフォロー役がいなくて、彼女が余計に冷たく感じれる印象になってしまっていましたし、「亜城木夢叶」が登場しないので、みんなの夢を叶えるんだという一体感、全体の目標が薄くなってしまっていたと思いました。いても良かったと思うんだけどなあ・・。

まあしかし青春物映画としてはふつうに見れる映画だったと思います。最後がスラムダンク展開なのはちょと笑いましたし。