- 作者: 読売新聞運動部
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2013/07/09
- メディア: 新書
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自分は男なのでこの本に書いてあることは色々と驚きでした。
女性特有の体調の問題、結婚や出産時期などの葛藤、マイナーな女子競技であるが故の環境の不整備や周りから理解されない苦労、それらは知識としては多少はあり、「なんとなくだけど大変なんだろうな」くらいの認識はありましたが、それぞれの立場からこうだったと話される内容は、想像よりも明らかに過酷で、読んでいて色々考えさせられました。
特に体操やマラソンなどで、ジュニアの頃から徹底的に体調管理をしているために月経が訪れない、初潮を迎えたのが二十歳を越えてからという選手もいる、という話は衝撃的でした。
スポーツには自分の人生を賭けなければ大成しないというのはありますが、女性にとってはそれは青春時代や若い時の時間が無くなるという問題以上の覚悟が必要だというのはさすがに予想の範囲外でした。女性としての喜びや役割を失うことを常に天秤にかけて闘っている。凄まじい世界だなと思いました。
女子スポーツの見方が変わったと同時に、同じ立場であった女性陣たちはそういうことも含めてオリンピックとかを観ていたのかなとか、そういうことも考えさせられた本でした。