yukiakiの日記

映画とサッカーとジャンプと猫が好きな男の生存確認ブログ

映画『風立ちぬ』感想  必至に生きられる時間は短い、その中で「生きねば」ということを確かに感じだ

週末のレイトショーを観賞。観客は200人くらい。夜なので子ども連れはいなかったですが、下は20代から上は60代くらいまで幅広い年齢層の人間がいました。

公式サイト → http://kazetachinu.jp/

すごい映画でした。はっきり打ちのめされたと言えるくらいにもの凄い傑作だったと思います。

「技術者の寿命は短い。せいぜい10年だ、君はその10年で何をする?」

堀越二郎の夢の中で彼の憧れであるカプローニがこのような台詞を言います。これが僕はずっとひっかかっていました。

堀越二郎は理想の「美しい」飛行機を作るのが夢です。本人にはそれを形にするだけの才能があり、センスがあります。そして周りの人間も彼の圧倒的な才能は認めていて、全力で彼をサポートします。

たいして僕は、子どもの頃はサッカー選手になりたかったけれど、体が固くボールの扱いが下手で、それほど強くないチームでギリギリレギュラーを確保するのが手一杯でした。少し大きくなって理系の大学に入り最先端の研究をしたかったけれど、レベルの高い授業を理解するのに精一杯で自分で新たに何かを成し遂げる知恵も気力もありませんでした。

華麗なプレイや素晴らしい数式や論文の「美しさ」は理解できても、その「美しさ」を自身の手で作り出すことは実力不足で叶わなかった、普通の人間です。

だからこそ、生きるのに難しい荒れ狂う時代の中で、本当の理想とはかけ離れていく戦争という名の矛盾の中で、それでも夢のために「自分の全盛期の10年を捧げて必至に夢に向かって進んでいった」姿勢は、とても羨ましく、切なく、力強く胸に響きました。

現代の僕のものと形は違えど、ある種の「なりたかったけれど決してなれなかった自分」が堀越二郎であり、同じく短い全盛期を必至で生きた里見菜穂子だったと思いました。

彼等の自分に正直な生き方は、「道を見失った自分が必至に生きれる時間はもう10年ないのかもしれない」という思いになり、夢の時を失った堀越二郎がそれでも最後に「生きよう」と言ったのは希望になりました。

「生きねば」ということ力強く感じた作品でした。

面白かったです!


追記:庵野秀明さんの声は僕はすごい合っていたと思いました。所々違和感はありますが、最終的には「庵野さんしかいない」と言えるくらいはまり役だったと思いました。