yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

映画『俺はまだ本気出してないだけ』感想 なんだかとっても「すっきり」した!

平日レイトショーで観賞。観客は30人ほど。30代〜60代と平均年齢若干高めながら幅広い層の人がいました。

公式サイト → http://www.oremada.jp/

面白かったです。感動とかは一切無かったけれど、見終わった後になんだかとってもすっきりして映画館を後にできました。

主人公の大黒シズオは42歳で「漫画家デビューしちゃう」とか言い出す、アルバイトで新人に怒られるほど仕事ができないフリーター、どう見ても駄目人間で、それを笑う映画なのですが、なんというか……心の底から笑いきれない!!

僕は普通に仕事をしていて趣味で創作活動をしているのですが、(プロのなる気はなくとも)楽しく創作活動だけしてられたらいいなあということを考えないわけではありません。

しかしその気持ちは、安定というか将来の不安と引き替えにできるほど強いものではない。

だからこそでしょうか、それらに目をつむっているだけではあるのですが、一応は創作活動にだけ打ち込めている、呆れるほど脳天気なシズオは、ある意味でとても羨ましかったのです。

「自分はまだシズオよりは圧倒的にマシだな」という優越感と、「一歩間違えたら、俺もこうなるんかもしれない」というハラハラ感、羨ましさを合わせた三つが常に同時に存在して、心の中でせめぎ合っていました。

そしてその結果、最初から最後まで映画の中では成功したわけでも失敗したわけでもないシズオが、自分の(したかったのかどうかも分からない微妙なラインの)できなかったであろう道を歩むシズオが、最後の最後まで、どん底でも脳天気に笑っているのに、なんだかとても癒されたのです。

優越感も、ハラハラ感も、微妙に羨ましい感情も、なんだか全部肯定されたかのようなそんな感じで、元気をもらえて、すっきりしていました。

いろんな意味で自分自身の中の「何か」を刺激された映画でした。