ホラー映画はとても苦手だったので嫌だったのですが、友達の「どうしても見たいから」の声に押し切られるかたちで観賞。週末のレイトショー回で観客は80人くらいでした。
公式サイト → http://kuroyuri-danchi.jp/
期待値が低かったのもありますが、個人的にはオーソドックスな展開で面白かったです。
この映画は怖がらせる前の焦らして溜める展開がとてもうまく、ねっとりと演出されていて、普通の何のへんてつもない団地がすごい怖くて恐ろしい場所に見えてしまって、実にブルブルきました。
僕はびっくりびっくりする作品よりも、怖いシーンは決めの数シーンくらいで、とにかく焦らす方がホラー映画の形態としては好みなのです。
幽霊の理不尽さも良く表れていて、ご都合主義かというくらいのあの手この手で人の孤独な心につけ込んでくる幽霊は、こちらのルールが絶対的に及ばない相手で怖かったです。
途中出てくる霊媒師の人が「霊は場所ではなく人に憑く。あなたが変わらなければ霊はどこへ行っても追い掛けてくるわよ」というようなことを言うのですが、これって現実の「孤独」や「後悔」も一緒で、その部分をダイレクトかつストレートに表現している幽霊であり、そういった意味でも興味深かったです。
ただ、純粋に怖がりたい人には評判悪いかもしれません(一緒に見に行った友人は不満そうだった)。
でもホラー映画は苦手な人間はこれくらいの怖さくらいがちょうど良かったです。