週末のレイトショーを観賞。観客は自分を含めてわずかに5人。少なすぎて観賞前はちょっと心配でした(笑
公式サイト → http://maruyama-movie.jp/
すっごいバカバカしくて、面白かったです。そしてちょっと深かった。
団地に住む、ごく普通の家庭で育った中学二年生の円山少年の物語なのですが、序盤に繰り広げられる彼の妄想は、すっごい痛くて「俺も似たような妄想をしたけれど、ここまで凄まじくなかったよなあ」と、半分感心しつつケラケラ笑っていました。
そして中盤、上の階に越してきたちょっと怪しげな男下井との交流をきっかけに彼の妄想は加速していくのですが、この時彼が「普通の家庭」と信じて疑っていない家族の、妹はロックな爺ちゃんと付き合ったり、母親は大ファンの韓流スターが電気屋として家に来たりと、確実に妄想より面白い展開になっているのはとても興味深かったです。
そして怒濤のラストに繋がっていくのですが、僕がこの映画を見て強く思ったのは「現実って妄想より確実に面白い!」ということ、そして「現実を面白くするには妄想が必要だ」ということです。
この矛盾しているようで矛盾してない感じが凄くうまく表現されていて、鑑賞後はとても気持ちいい感じで終わることが出来ました。
僕が妄想をあまりしなくなったのは、「僕が考えている以上に、世界にはいろいろな人がいて、その集合体でできている世界は、僕の中だけの妄想より確実に面白い」という、ポジティブな発見からでしたが、まったく妄想をしなくなるのも、そういう面白い世界にとっかかるフックがなくなってしまうんだなというのを、この映画を見て改めて思いました。
もっと妄想しなきゃ!