yukiakiの日記

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百田尚樹『永遠の0』感想  「面白い」を突き抜けた「凄い」小説だった!

「面白い」を突き抜けて「凄い」の領域にまでガツンと踏み込んでくる本でした。

永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

とにかく本書は読むのに時間がかかりました。

太平洋戦争の「零戦」のパイロットのお話なのですが、とにかく一行一行の内容が濃い。

データとして表される「未帰還率40%」「連日連夜の出撃」などは簡単に読みとばすこともできますが、背景やその時の搭乗員の気持ちを考えると、胸がはりさけそうで、なかなか次の行へと読み進めることができませんでした。

結局1ヶ月半くらい全て読むのにかかりました。

特に戦争終盤の「特攻隊」の内容に差し掛かかった部分では、そのあまりの理不尽さに毎回泣きそうでしたし、そんな作戦を強いた日本軍上層部に怒りを覚えました。

同時に、そんな非人道的な領域に進んでいった集団心理の恐ろしさ、傲慢さ、理屈を越えた戦争という特異な状況での個人の思いの儚さなど、いろいろなことを考えさせられました。

今まで僕は「悲しいことは遠ざけた方がよい」という方針で、心が耐えきれないので太平洋戦争のこととか、最近のテロ事件や中東の情勢などの報道を意図的に避けているぶぶんがありましたが、それでは駄目なのかもしれないと思い直しました。

もちろん豆腐メンタルなので一気に自分も関わっていこうとか無理なのですが、よくも知らないのに知った顔で、安全地帯からものを言うのはやめようと。

そして、これだけなら只の戦争の悲惨さを伝えるだけの本ですが、「永遠の0」はラスト手前の章の「最後」の衝撃から、最終章「流星」へ続く怒濤の展開で、物語として、小説として、とても感動できる素晴らしい物語になったと思います。

「小説というのは、世界を変えれるんだ」という、学生時代に受けた衝撃を思い出し、再び胸を熱くさせてくれるほどの、大傑作でした。

最後までしっかり読んで、本当に良かった!