yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

岡田斗司夫『オタクの息子の悩んでいます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より』感想  悩みの解き方メイキングを公開するという斬新な発想の本

オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より (幻冬舎新書)

オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より (幻冬舎新書)

ネットでたまに「岡田さんの人生相談の回答が凄い」という話題を見かけていたので、その悩み相談をまとめた本だと思って購入。しかし、内容は少し違いました。

もちろん岡田さんの人生相談回答集で合っているのですが、それ以上に彼がどのようにして悩みに答えているかという、思考の過程を丁寧におった解説本でした。

岡田さんはこの本で「役に立つ悩み相談に答えるための方法」として幾つかの思考ツールを紹介しています。

この思考ツールは、実際に相談者の悩みに答えながら岡田さんが試行錯誤して作り出したものなのですが、それを手に入れるための過程が、なんというかすごい物語的で面白く、だからこそとても納得のいく説得力を持っていたものになっていたと思いました。

個人的には「悩みを解決する」ことではなく「悩みを少しでも分かり易く、軽くする」ことに主眼を置いた人生相談というのは目から鱗で素晴らしかったです。

読んでいて中国の故事である「飢えた人に魚を食わすな」を思い出しました。

「飢えた人には魚を与えるのではなく、魚を獲る方法を教えてあげよう。でないと堕落してしまうから」というものです。

岡田さんの思考ツールを使って悩みを分析・仕分けしていくこの方法論は、もしかしたらより多くの人の悩みを解決して幸せにすることができるのかもしれないと思いました。