- 作者: 南直哉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/04/17
- メディア: 新書
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本屋の親書コーナーでなんだかとても気になったので読んでみました。
本書は2005年から日本で最も有名な霊場“恐山”の菩提寺で院代(住職代理)を務めている著者が記した本です。
前半は著者の立場から見た恐山についての記述、後半は恐山での体験を通じて著者が考えた人間の「死」についての記述です。
僕はこの本を読みながら「なんで僕はこの本を読もうと思ったんだろう」ということをずっと考えていました。
恐山についての知識など、写真か何かで見たビジュアルと漫画『シャーマンキング』の「恐山ル・ヴォワール」くらいしかありませんでしたし、有名なイタコさんに呼び出してもらいたいようなどうしても会いたい死者というのも特に心当たりがあるわけでもありませんでした。
物見遊山や野次馬根性にしても、もっと他に興味があるものはたくささんあるし、どうせならもっと楽しそうなものを選びそうなものですが、どうして僕は恐山に興味を持ったのだろうかと。
読み進めていって気がついたのは、僕が「死」にとても興味があるということでした。
べつに死にたいとかそういうわけではなく、「死」に触れ、「死」というというものを少しでも理解したい、言語化してみたいという欲求を持っていたんだということでした。これは実に新たな発見でした。
恐山は年間20万人もの人が訪れるそうです。いくら観光地化されているとはいえ、そんなパワースポットらしからぬ、おどろおどろしくてむしろ霊に憑かれてしまいそうなパワーレススポットにいくのでしょうか?
わきあがる疑問の解決も含めて、僕も一回恐山に行ってみるべきかなと、そんな風に考えました。
ちなみに本としては前半部分の方はタイトルの内容にもあっていて面白かったです。、後半は少し個人の意見すぎるかなと思いました。