- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1999/02
- メディア: 文庫
- 購入: 2人 クリック: 40回
- この商品を含むブログ (104件) を見る
シリーズ前作『怪笑小説』がしっかり笑える小説だったので読みました
『怪笑小説』感想 → http://d.hatena.ne.jp/yukiaki042/20121213/1355371697
今回の『毒笑小説』もシリーズ前作同様、どの短編も非常に凝っていて、感心したり唸ったりしながら最後まで読むことができました。
ただ、タイトルに「毒」とあるように、雰囲気的に前作よりもじめじめ、ぐじぐじしている感じがして、かなり暗めな印象でした。
痛快と言うよりも、人の失敗や惨めな様子をニヤニヤ眺めるような、「他人の不幸は密の味」という種類の「笑い」を狙ったものが多かったと思います。
こういう種類の「笑い」は僕のツボとは少しずれていて、合わなかったです。
面白く読むことはもちろんできましたが、『快笑小説』にあったような腹を抱えて気持ちよくなる「笑い」はあまり起きなかったです(「誘拐電話網」は笑ったけれども)。
「笑い」を求めるより、「毒を含んだ短編小説集」として読んだ方が楽しめた作品だったかなと思いました。