yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

東野圭吾『毒笑小説』感想  面白いけれど「笑い」を期待しすぎると損をするかも

毒笑小説 (集英社文庫)

毒笑小説 (集英社文庫)

シリーズ前作『怪笑小説』がしっかり笑える小説だったので読みました

『怪笑小説』感想 → http://d.hatena.ne.jp/yukiaki042/20121213/1355371697 

今回の『毒笑小説』もシリーズ前作同様、どの短編も非常に凝っていて、感心したり唸ったりしながら最後まで読むことができました。

ただ、タイトルに「毒」とあるように、雰囲気的に前作よりもじめじめ、ぐじぐじしている感じがして、かなり暗めな印象でした。

痛快と言うよりも、人の失敗や惨めな様子をニヤニヤ眺めるような、「他人の不幸は密の味」という種類の「笑い」を狙ったものが多かったと思います。

こういう種類の「笑い」は僕のツボとは少しずれていて、合わなかったです。

面白く読むことはもちろんできましたが、『快笑小説』にあったような腹を抱えて気持ちよくなる「笑い」はあまり起きなかったです(「誘拐電話網」は笑ったけれども)。

「笑い」を求めるより、「毒を含んだ短編小説集」として読んだ方が楽しめた作品だったかなと思いました。