- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2011/03/10
- メディア: 単行本
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しっかりはしているんだけど、老人特有の物事をすぐ忘れたり、昔の物差しで現代の事象を測っているが故に、いろんなことがズレていってしまう「オジいサン」が面白くて笑えるとともに、なんだかあまりにその思考過程がリアルなため少し怖くなる、そんな作品でした。
親を見ていて多少想像はできていましたが、ああきっと老人になると、俺もこんな風になってしまうんじゃないかと想像できて、いろいろ背筋が寒くなりました。
「ハハハ!ハハハ!!ハハ…ハ……なんか笑えねえ」みたいな。
ただ、読み進めていくうちみにその印象はだいぶ薄まり、将来的にズレていくことになっても、それはそれでもいいかなと思いました。
それはそれでやりようがあり「きっと、どうにかなるんだろう」なと。
そのため後半になるにしたがって小説を味わえるようになり、より笑えました。
読みはじめ当初は老人の話だし、最後は死ぬんだろうなと思っていたので、それがいい意味で裏切られて、気持ちよく着地してくれたのが良かったです。