yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

京極夏彦『オジいサン』感想  自分が将来的にオジイサンになったことを想像してはらはらしながら読んでいた

オジいサン

オジいサン

しっかりはしているんだけど、老人特有の物事をすぐ忘れたり、昔の物差しで現代の事象を測っているが故に、いろんなことがズレていってしまう「オジいサン」が面白くて笑えるとともに、なんだかあまりにその思考過程がリアルなため少し怖くなる、そんな作品でした。

親を見ていて多少想像はできていましたが、ああきっと老人になると、俺もこんな風になってしまうんじゃないかと想像できて、いろいろ背筋が寒くなりました。

「ハハハ!ハハハ!!ハハ…ハ……なんか笑えねえ」みたいな。

ただ、読み進めていくうちみにその印象はだいぶ薄まり、将来的にズレていくことになっても、それはそれでもいいかなと思いました。

それはそれでやりようがあり「きっと、どうにかなるんだろう」なと。

そのため後半になるにしたがって小説を味わえるようになり、より笑えました。

読みはじめ当初は老人の話だし、最後は死ぬんだろうなと思っていたので、それがいい意味で裏切られて、気持ちよく着地してくれたのが良かったです。