- 作者: 日日日
- 出版社/メーカー: 碧天舎
- 発売日: 2005/01
- メディア: 単行本
- 購入: 4人 クリック: 351回
- この商品を含むブログ (108件) を見る
とても優しい物語でした。
正直物語としては大きなヤマがあるわけでもなく、淡々とした話なのですが、人を嫌わずに『好き』に『大』を幾つ付けるかで友達関係を説明している主人公の耶麻子ちゃんの気持ちいいキャラクターのおかげでそれが欠点にならずに、むしろのんびりとした雰囲気の良いしになっていたと思いました。
死んだけどハッピーエンドという結末は意外性があって僕はとても好きですが(物語はリアルで現実に即しているけど)僕はファンタジーだなと強く思いました。耶麻子ちゃんは幼い頃から死を意識するという特殊な境遇と達観した精神、離島というのんびりとした環境、多くの優しい周りの人々があって、そこに辿り着けたんだなと。
彼女のように笑顔で最後の時を迎えるのはきっととても難しい。物語が綺麗だからこそ、逆説的にそういうことを強く感じた作品でした。