yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

石田衣良『傷つきやすくなった世界で』感想

『R−25』に連載してた文章で2006年1月〜2008年2月までをまとめたエッセイ集。最近石田衣良さんの文章をまとめて読んでいるのでその流れで読みました。

独特な視点と軽快な文章で当時の問題を切り取っていて基本的には楽しく読めました。

しかしこの本で取り上げられている諸問題「格差」や「勝ち組負け組」「いじめ」「サービス残業」などは、当時から6年たった今でも何も解決されていない、いやむしろ酷くなり、常識として定着してしまったのかもしれないと思いました。

あいつよりいい目を見たいという感情は大きくなり、格差は広がって周りとの関係性(国同士も含む)はどんどんギスギスしていっていき、とても生きにくくなっています。

そんな中で冒頭の「心にまで格差をつけてはいけない」という章はとてもグッときました。他にも今でも通用する、いやいまだからこそより心に響き励みになる文章がたくさんあったと思います。

…そいういえば『R−25』首都圏に住んできたときは毎週読んでたけど、地方に行ってからはまったく見なくなっていたなあ。