- 作者: 石田衣良
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/06/27
- メディア: 文庫
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
先日読んだ「4TEEN」が面白かったので続編である本書も続けて読みました。
読んでみての最初の印象は「4TEEN」に比べて爽やかさが減ったというか、全体的に雰囲気が重くなった感じがするということでした。
でもこれは自分を振り返っても当たり前で、
「中学生のころはすべてぼんやりとした灰色の雲のようだったのに、十六歳になると憂鬱も退屈も不安もずっと具体的になるのだ」
という主人公の独白はまさにその通りだなと思いました。
たった二歳違うだけで、景色ががらりと変わるのが十代なのです。
ですが景色は変わっても根本は変わりません。不安や窮屈さの中で、バカみたいなことに真剣に悩んで笑うのが十代です。本書もそんな根本は変わっていなくて楽しく読めました。
基本テツローくん羨ましいなあと思いながら読んでいました。綺麗な女の人に好かれて、将来の小説家のファン一号に認定されて、かわいい彼女ができて、すばらしい仲間がいて。女っ気のない高校時代を過ごした身としては(それはそれで楽しかったけど)ちょっと悔しかったです。
あと、最後の「十六歳の別れ」はやはりその年代の辺りで身近な人間の死と接した身としては、ちょっと切なくなりました。