yukiakiの日記

映画とサッカーと漫画と猫が好きな男の生存確認ブログ 週刊少年ジャンプの全漫画の感想を書いて14年目

石田衣良『6TEEN』感想 テツローくんが羨ましいなと思いながら読んでいました

6TEEN(シックスティーン) (新潮文庫)

6TEEN(シックスティーン) (新潮文庫)

先日読んだ「4TEEN」が面白かったので続編である本書も続けて読みました。

読んでみての最初の印象は「4TEEN」に比べて爽やかさが減ったというか、全体的に雰囲気が重くなった感じがするということでした。
でもこれは自分を振り返っても当たり前で、
「中学生のころはすべてぼんやりとした灰色の雲のようだったのに、十六歳になると憂鬱も退屈も不安もずっと具体的になるのだ」
という主人公の独白はまさにその通りだなと思いました。

たった二歳違うだけで、景色ががらりと変わるのが十代なのです。

ですが景色は変わっても根本は変わりません。不安や窮屈さの中で、バカみたいなことに真剣に悩んで笑うのが十代です。本書もそんな根本は変わっていなくて楽しく読めました。

基本テツローくん羨ましいなあと思いながら読んでいました。綺麗な女の人に好かれて、将来の小説家のファン一号に認定されて、かわいい彼女ができて、すばらしい仲間がいて。女っ気のない高校時代を過ごした身としては(それはそれで楽しかったけど)ちょっと悔しかったです。

あと、最後の「十六歳の別れ」はやはりその年代の辺りで身近な人間の死と接した身としては、ちょっと切なくなりました。