ナツイチ製作委員会『いつか、君へ Ｇｉｒｌｓ』感想

前に読んだBoys編が面白かったので同様シリーズのＧirls編を買ってみました。

いつか、君へ―Girls (集英社文庫)

感想としては正直Boysに比べて、ピンとくる、共感できる感じが少なかったです。これは男女という性別の違いからくるものもありますが、僕が「少女」というものに対して神秘性というか、よく分からないものという、最初から突っぱねている感じがあるのかもと感じました。

でも、話は総じて面白かったです。以下、各作品の感巣です。

三浦しをん「てっぺん信号」
「しづくを殺す。」と書いてある部分おおいに笑いました。思春期のちょっと過激で短絡的な思考は大好きです。未熟なんだけどそれはとても正直な気持ちだからです。

島本理生「きよしこの夜」
「なんであの二人はつき合わないんだろうと？」いう仲の良い男女というのは確かにいて、それはある種兄妹のように互いに似すぎていているからではないのかと思っていたこと思い出した。似すぎていると相手が誰よりも理解できるがゆえに一緒にはいられない（いたくない）と思うことあるよね。

関口尚「カウンターテコンダー」
僕も「星の王子様」の薔薇ちゃんは苦手です。

中田永一「宗像くんと万年筆事件」
同窓会等で必ず語られる記憶に残る人物ってどこの学校にもいると思う。身内だけにしか通じないけど、そのインパクトを語ることによって童心に返れるような人物が。そういう奴ってだいたい同窓会に来ないんで、半分都市伝説になるんですよね。

橋本紡「薄荷」
たぶんこの中で一番マンガ的なキャラクター造形だなと思った。でも僕はこれくらいの方がむしろしっくりくる。抽象化した方が分かることもあると思うんだ。

今野緒雪「ねむり姫の星」
現代劇の中に一つだけＳＦが急にくるとビビる。
個人的には今回の作品の中で一番好きだけど、これ「少女」がテーマなのかな・・・？