- 作者: 西原理恵子
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2008/12/11
- メディア: 単行本
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たぶん西原さんの著作の中でもっとも人生の役にたつ本だと思う。
できることなら世の全ての中高生は必読くらいいっても過言ではないほどに。
それは、世の中には「儲ける」とか「損をしない」ということを教える本、もしくは経済とはうんたらくんたらみたいな本は数あれど、お金についてフラットに付き合い方を論じた本、ちゃんと向き合った本というのはなかなか見あたらないからです。
僕は西原さんの本はわりとよく読んでいて、この本に書かれているエピソードに関しては見知ったものが多いのですが、それでもそれらを「カネ」という視点でつなげると、ここまで切実に響いてくるものかあるんだなと少し驚きでした。
僕はその中でも「貧乏は人の心を寂しくする」というのにはすごい共感できて、これは僕自身のトラウマでもありますが、幼少時代、僕はとある友人と駄菓子を買っていて、その時地面に百円を落としたのです。すると、友人は拾おうとする僕の手を巻き込まんばかりの勢いで、その百円を踏みつけて、先に拾ったから自分のものだと主張しました。僕はびっくりでした。百円は確かに子供にはそれなりのお金ですが、彼は僕が落としたところを見ていますし、何よりお金を手にれるため僕を傷つけてもかまわないという姿勢がショックでした。お金は人を豹変させます。故に僕は基本的にお金の貸し借りはたとえ友人であっても絶対にしません。
これはまあ極端な例で、僕はそれゆえお金があまり好きではないのですが、それでも生活にはなくてはならないものなので、ルーズであったり軽んじたりしてはいけないと思います。
お金に関して話すのがタブーという姿勢、風潮は絶対に間違っている。
お金との向き合い方、付き合い方を模索したり自分なりに構築したりするのはとても、とても大事なことだとこの本を読んで改めて思いました。