「女子が男子に読んで欲しい恋愛小説No1」という帯文句と、表紙の絵が気に入ったので購入。
- 作者: 越谷オサム
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2011/05/28
- メディア: 文庫
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(解説)ベタな恋愛小説と思わせておいて、おやミステリー要素もあるんだなと興味を掻き立て、途中からは悲恋モノ?と不安にさせながら最終的にはファンタジーでもあったと発見させる。(略)
「いや、最後いくらなんでもファンタジー過ぎるだろ!」と思いました。
途中まで、浩介くんと真緒ちゃん、物語の中心となる二人がだんだんと関係性を深めていく展開は、キャラクターの面白さや、甘酸っぱくも頬笑ましい描写もあって楽しく読めたのですが、僕にはこのオチは受け入れられませんでした。
僕には真緒ちゃんのした行為は確かに「彼女自身が一途に頑張った」結果ともとれますが、それよりも人が一人まったくその存在を消してしまうなんていうのは人生の否定だと思うし、とても悲しいことだと思います。そのツケを浩介くんに押しつけるのも僕にはちょっと理解できません。
「是」か「非」かとかではなく、「意味が分からない」というのが正直な感想です。
ただ、この物語を肯定する気持ちを、女の子は男の子に理解してほしい、というのもなんとなく分かる気はするんですよね。たぶんそれは理屈ではなく感情的なことなのでしょう。
そしてそれに対して「意味が分からない」と言ってしまう僕は、だから女の子にモテないんだろうなと自虐するとともに、少し反省しました。